クリティカル・ファカルティとは意識と無意識の間にある『膜』を意味します。この膜は透明で薄いのに、とっても頑丈で自然に破れることがありません。
『三つ子の魂百まで』
人は生まれてから3歳までの間に、この膜の向こうにある無意識が75%満たされていきます。
そして、8~12歳の間に無意識は100%となります。
その後の経験や思考は自然に無意識に蓄積されることはありません。つまり、3歳まで一緒に過ごした両親(主に母親)から聞いた言葉や見た行動、感じた思いが私達の無意識と深く関わっています。
でも、何も分からず生まれて、その後の3年間の間に私達が善悪を判断することが出来たでしょうか?いえ、判断なんか出来ません。
両親から満たして貰った無意識は両親の意識です。親の意識は親自身の人生で創られたもの。であれば、私の人生は私の意識で創られるべき。私は、私の人生を自分で創り上げるべき。
生まれてから僅か3年の間に私の好きか嫌いかに関係なく、私が良いと思うか悪いと思うかに関係なく私の無意識は造られてしまいました。でも、今の私には自分にとっての善悪を区別することが出来ます。何が好きか、何が嫌いかも分かっています。私は今、自分の中の何を持っていたいか、何を手放したいか、選ぶ自由が欲しい。
でも、クリティカル・ファカルティはとっても頑丈なんです。簡単に入ったり出たりすることが難しい。
クリティカル・ファカルティを通過する方法は3つあると言われています。
一つ目は、事件や事故などによるトラウマ、俗にいうPTSDなどによって無意識が書き換わる。これは他からの力が必要な為、自分でやることは難しい。
二つ目は、あることを何度も何度も反復することによって無意識の領域に無理矢理押し込む。これは無意識に起こることが、例えばパニックなどの苦痛を伴う場合には、非常に苦しいものとなる。
そして、三つ目。身体の力を抜いて、心と体をリラックスさせること。
リラックスした状態では、『クリティカル・ファカルティ』意識と無意識の間の膜が薄くなります。この時に無意識の中に入り込み、変えたい自分に気づき、変えていくのです。
このリラックスした状態で意図的に変容を促そうとするものとして『催眠療法』が存在します。心の治療として医療の場でも実際に取り入れられており、劣環境で幼少期を過ごし心に傷を抱えて育った子供、衝撃的な出来事を経験したことによるトラウマ、その他にも本人にしか分からない”生き辛さ”など、その有効性は広く知られてきています。
ですが、もっと簡単に、ちょっとした時間を利用してできるものもあります。それが『瞑想』です。意識的に体の力を抜き、頭を空っぽにし、自分の感覚に身をゆだねていると、自分の奥深くにすーっと引き戻されていく感覚を覚える事があります。また、時には自分が暖かい空気に包まれたり、光に囲まれたりする感覚を覚える事もあります。ただし、これらはあくまでも主観的な感覚。どんな風に感じ、どんな風に受け止めるかは”十人十色”です。
また、楽しくて自分が夢中になれる時間を持つこと。それも、立派なリラックスです。読書をしてもいい。歌を歌ってもいい。一晩中踊り明かしてもいい。友達と一緒に笑ってもいい。とにかく、自分が楽しくて時間を忘れて没頭できることをすることは、その人にとってのリラックスとなります。
人は幸せな時間が長ければ長いほど、もっともっと幸せを引き出す力を持っています。自分を変えたい、何かを変えたいと思ったら、最高の自分を見つけ、それに合わない自分を手放していかなくてはなりません。まず自分の無意識の中にある感情や感覚・イメージに気づき、それを再構築してみる。
自分改造です。
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