昨日ライフコーチの練習を一緒にしているバディーとの会話であることに気が付いた。
私はいわゆる思春期の時期をとても幸せに過ごした。
キリスト教の女子校にどっぷり浸かり、教えられることに何の疑いも持たず、友人や先生にも恵まれた。中学1年生の時は梅組、2年では百合組、3年では菊組、とクラスが花の名前になっていることも、自分が更に特別な環境にいるような気持にさせてくれていた。
朝は始業時間より1時間から2時間前に行き、数名の友人たちと一緒に数学室にあった問題集を片っ端から解きまくっていた。また、同様に朝、英語室に行き、英語のテープを何度も聞き、英会話の練習をさせてもらっていた。
通学時間は1時間半かかったため、朝は5時頃から出かけていた。朝早いにも関わらず、私は毎日朝ごはんをしっかり食べ、お弁当もかかさず持って行っていた。朝出かける時には母がいつも台所に立っていたのを思い出す。
また、私が朝ご飯を食べている台所の隣の居間には、その時間、毎日父の姿があった。炬燵に横になり、うつらうつらとしながらも、毎朝私に「いってらっしゃい!」と声をかけてくれた。
こうして、私は学生の時、両親からの大きなサポートを受け、充実した毎日を過ごしていた。
父が亡くなり、数年経って、初めて母の口から私が知らなかったことを聞いた。
当時、私を見送るために毎朝居間で横になっていた父は、実は朝帰りをしていたらしい。私が起きる前に帰ってきては、居間で私が出かけるまで横になってから、布団にはいっていたそうだ。また、女性問題もあったらしく、離婚だ何だの話もあったらしい。でも、私は何も知らなかった。
当時、母は私に何も言わなかったし、私が気づかない様に頑張っていたのだと思う。
父の死後、母が再婚するときになって、初めて父のこうした一面をポツリポツリと私に話し始めた。私は何故こんなことを今言うんだろう、と母に対しての反発を強く感じていた。同時に、父に対しての心は変わることがなく、逆に慕う気持ちが強くなっていった。
半年以上前からライフコーチの勉強が始まり、父に対しての感情や母に対しての理解が大きく変わった。そして、昨日母の話をしていて、改めて「凄いなー」と感じた。私の学生時代、母は大変だったと思う。父に対しても様々な思いがあったと思う。でも、私には一言も愚痴をこぼさなかったし、私に気づかれることもなかった。毎日何も知らず幸せに過ごしている娘を守ってくれたんだと思う。
「すごい愛だね」私のバディーが言ってくれた。
今、母と一緒に過ごす時間の中で、母は今までの事を何度も何度も話すことがある。
これまで言わずに溜めてきた沢山の事を、今は全て吐き出していいんだと思う。私もそれら全てを何度でも何度でも受け止めてあげられる。
何回聞いても、耳にタコなんか出来ない。何回聞いても、「お母さん、ありがとう!」という気持ちがこみ上げてくる。そして、ゆっくりゆっくり母の顔が笑顔になっていくのを感じている。
今日は朝から母に電話をした。
昔シンガポールに住んでいたころ、近所のインド料理屋さんで朝ご飯に食べていた『プラタ』。手に入ったので、今晩一緒に食べようと誘ってみた。日本のインド料理店ではまだ見たことがない。とっても美味しいので、きっと母は気に入ってくれると思う。
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