突然、次男からのラインメッセージ。『○月○日に生命保険の点検 解約する』
「何で?」との問いに、「お金ない」と返事が返ってきた。
次男の生命保険は一般の保険とは違う。次男は小学校の時、学校の集団検診で尿検査にひっかかり、再検査の結果『紫斑病性腎炎』との診断を受けた。
何故?と母子ともに医師に説明を求めても原因は分からない。とのことで、病室で泣いたのを覚えている。放っておけば、腎臓の細胞が死んでしまい、最終的には透析治療が待っている。今はとにかく、その透析治療がなるべくこない様、薬を飲み続けなくてはならない。また、運動も禁止となった。定期的な通院を除いては、普段の学校生活には当面差支えがなかったが、唯一、小学校の修学旅行は彼にとって辛いものとなった。まず、修学旅行に親が同行した。そして、旅行中の朝の体操を含め、戦場ヶ原を歩く、などのハードな動きには皆と別行動をとった。タクシーで行きたいところに連れて行こうと思っても、彼はちっとも嬉しそうではなかった。ずっと寂しそうな顔をしていた。
当時、母の知人にある生命保険で勤めている人がいた。私を含め3人の子供の学資保険等を相談した折、次男でも生保に加入できるとの打診があり、彼女を信じそのまま加入した。
10数年たち、担当が替わり、保険の見直しとの名目で新しい担当者と保険の見直しを行った。その際、次男の保険が『無効』だとの話が浮上し、その後約一年間の間保険会社との押し問答が始まった。生命保険協会へ相談し、アドバイスを受けて『異議申し立て』を行った。審査等により最終的にそれまで払ってきた100万円近くのお金が無駄になる事はなく、かつこれからも保険を継続できるようになった。
持病がある彼にとっては、この保険は大事なお守りである。
『○月○日に生命保険の点検 解約する』
これは、成人になった次男が、連絡が遠のき、自分を気にしてくれているのかも分からない母へのちょっとした抗議だと感じた。
私は最近週末の介護の職場が変わったこと。腰痛で整体に通っていること。まだ学費の借金があるために他にも仕事を探していることを正直に話し、連絡していなかったことを謝った。そして、少しの間手伝うから、その後でまた継続していけるか。などあらためて次男に確認してみた。大丈夫・・・・・と返事はしていたが、やはり彼も大変なんだろうと感じた。彼は私の腰痛を気に掛けてくれ、知っている針治療の先生を紹介してくれた。
また次男からメールが届いた。
『まだおかね、あるっぽい』
本当に次男らしい。ぶっきらぼうだけど、私には十分な優しい言葉。嬉しかった。
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