桜の木

気づき

家の玄関の目の前の桜の木が満開になりました。淡いピンクの花がとても綺麗に咲いています。
家から2~3分のところにある駅に向かいながら、あちらこちらに咲いている桜の花を楽しんで歩いていました。

駅の前までくると、大きな桜の枝を持った女性が道路の向こう側を歩いていました。女性の身長よりも大きな桜の枝を嬉しそうに持ち、歩いていました。私はそれを見ながら、「何か寂しい桜だな」「周りの桜と全然違う」と思っていました。

私の実家のある相模原市には素敵な桜並木があります。今はコロナのせいで行われていませんが、毎年4月には桜祭りがありました。市役所前の広い道路の両端には屋台がぎっしり並び、その広い道路は歩行者天国になります。そこを地元の小学生やよさこい踊りのグループ、米軍基地からの鼓笛隊など沢山のグループがパレードをしています。沢山の人が道路の両端の長い桜並木の下に立ち、そのパレードをずっと見ています。

桜祭りが開催される前後は、昼間その道路は渋滞になります。桜の木で出来たアーケードを楽しみながらゆっくり運転しているためです。夜には桜の木に電灯がつき、その下を散歩する人の姿がたくさんあります。

この桜の木は私と同じ年。昭和41年に植えられ、大切にされ、私が小さな時から毎年綺麗な花を咲かせてくれました。木の幹はとても太く、艶々しています。
私は子供の頃からこの桜並木が大好きでした。

今朝、桜の枝を持っていた女性を見て、私はこの桜並木を思い出しながら、今まで一度も桜の枝を折った人がいたのを聞いたことがなかったな、と考えていました。みんな黒い幹から伸びている枝にびっしり咲いている桜の花を愛しています。みんなこの桜が太い木から生まれていて、たくさんの木が道を作り、それが美しいのを知っています。

あの女性はあの寂しい木の枝をどうするんだろう?家に飾ったら家の中がきっと寂しくなるに違いない。もしかしたら折ったことを後悔するかも知れない。と思いました。もしかしたら後悔して、その木の枝をまた土に植えてくれるかも知れない。そうしたら、その枝が今度は新しい根を張り、何年も何十年も経ってから大きな木になるのかも知れない、とも考えました。本当にそうなったら良いな、と思います。

3月から4月にかけて一斉に日本中に咲く桜の木。これがあるだけでも、日本って良いな。田舎ではないけど、相模原って良いなって思います。

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